タイトル

今中さんの「身近にみられる野鳥図鑑」

健気なイクメン

 一般的に鳥の世界は一夫一妻で伴侶選択権はメスにあります。 そのためオスは美しく着飾り、美しい声で囀りメスの気を引こうとしますが、 タマシギはまったく逆でメスの方が体もおおきく、美しく着飾り、 オスを求めてコォー、コォーと良く通る声で鳴きます。 そしてオスとペァが成立すると卵を4個産みます。 4個目の卵を産み終えると家出して二度と戻ってきません。 残されたオスは巣で抱卵し、孵った雛が独り立ちするまで面倒をみます。 まさにイクメンの鑑です。  一方メスはというと、この間、新しいオスを求めペアとなり卵を産み、 子育てを押し付ける。 この繰り返しを繁殖期の間続けます。 いわば一妻多夫の婚姻形態をとっています。 中東の人間社会では考えられないことです。

 タマシギ    英 Painted Snipe  学 Rostnatula benghalensis

  • ■ 形態 : 23~28㎝ ハトより小さい
  • ■ 分類 : チドリ目タマシギ科
  • ■ 体色 : 目の周囲に勾玉型の黄褐色の班
           翼を広げると上面、下面ともに水玉模様があることから「玉鷸」となった説
  • ■ 鳴き声 : メスはコォー、コォーと数回続けてなく
  • ■ 分布 : 日本では留鳥として本州以南で繁殖
  • ■  生息場所 : 水田、湿地、河川の岸で以前は良く見られたそうだが環境の変化か、
             見ることが少なくなった。近隣では東大阪市の水田で観ることができる。
タマシギ1 タマシギ2
タマシギ3 オスの抱卵。今年は、残念ながらこの後、
アオダイショウに襲われ繁殖に失敗した。

撮影+解説者紹介:

今中 啓一(いまなか けいいち) ・・ FIO会員

今中さんの写真 少年期、京都東山での様々な小鳥との出会いがきっかけで「鳥大好き人間」となる。以来、現在も日本野鳥の会などにその身をおき、「鳥見」に勤しむ日々が続く。「野鳥を通して野山など多くの自然に親しんでもらえれば・・」との想いで、各地で森林インストラクター活動中。