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佐藤さんのお役立ち気象歳時記

春の大雪

春は大雪で始まる。2月を中心に1月下旬から3月中旬にかけて、日本の南海上を通る低気圧、「南岸低気圧」によって、しばしば太平洋側で大雪が降る。これまで日本付近は大陸の強い寒気にすっぽり覆われていたのが、大陸の気温が上がり寒気の南下が弱まり後退するとともに、南からの暖気の北上の影響を受けるようになる。このため、真冬であれば日本の東海上で発達していた低気圧が、日本付近で発達するようになる。大雪は冬から春への季節の歩みの中で現れる。

一例として、1994年2月12日の大雪を見てみよう((財)日本気象協会発行天気図集成より)。
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図3 図


11日上海付近に現れた低気圧は、12日しだいに発達しながら南岸沿いを進み、13日には日本の東海上で猛烈に発達した。大陸からの寒気が強く、中国地方~関東地方にかけて、記録的な大雪となった。

大阪では11日夜半前から雪が降り始め、12日昼前まで降り続いた。積雪は9時9㎝、その間の降水量は13㎜を観測している。乾いた新雪であれば降水量1㎜は積雪1㎝に換算できることからすると湿った雪であったと言えよう。なお、雪の降りだす前の気温が4℃と高いが、湿度が60%と低く、水滴(雪片)の蒸発を促し空気を冷やしたと考えられる。


(2012年1月)

執筆者紹介:

佐藤 英雄 (さとう ひでお) ・・ FIO会員、事務局担当のひとり

佐藤さんの写真 民間の気象会社に34年間勤務し、気象の観測・調査・設計、解説・予測などに従事。気象予報士でもあり、森林インストラクターの眼からみた「気象」のお役立ち情報を、月1回のペースで、わかりやすく解説します。