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大阪の森林と自然

大阪の自然とみどり

私たちの大阪府は面積1897km2、人口883万人の人が住んでいます。
大阪湾と淀川、大和川水系をはじめ多くの河川が流れる大阪平野と、これを取り囲む北摂・金剛生駒・和泉葛城の三山系からなっています。
府内には56000haの森林、総延長14kmの河川、約1000ヶ所のため池などの水域、
また、市街地やその周辺には寺社林など歴史的な緑が残っています。
しかし、森林率が31%(2007年度累計)と、府民1人当り森林面積64m2は少なく、全国では、茨城県・千葉県と並んで最下位です。
大阪府野生生物目録(2000年)によれば、動植物・魚類・鳥類・昆虫などの生きもの8725種が確認されています。 しかし絶滅の恐れのあるものは10%にあたります。
これらは、都市の緑とあわせ、後世に引き継ぐかけがえのない財産です。
みんなで大事に守ってゆきましょう。


地域別に詳しく見ると

【北部地域】

淀川より北の地域(北摂山系)はあまり高い山はなく、800m近くの剣尾山、400~700m位の三草山・妙見山・ポンポン山など親しみや易い低山地域が広がります。 この地域は、夏は涼しく雨が多く、冬は雪が多いのが特徴です。昔から炭焼き(池田炭)が盛んで、 その原料となるクヌギ・コナラ・アベマキを主とした里山林が多く見られます。

里山林には、ゼフィルス(ミドリシジミ類)と呼ばれる美しいチョウやギフチョウ、クワガタなどが生息しています。 箕面には、ニホンザル、イノシシ、オオサンショウウオ、モリアオガエルなども棲んでいます。
府立北摂自然公園に指定され、貴重な自然環境の保全活動が官民協働で進められています。


【中部地域】

淀川と大和川に挟まれた地域で、最も都市化が進んだ地域です。
淀川には、ヨシ原・わんど・干潟があり、貴重な魚類(イタセンパラ等)、シギ・チドリなど野鳥が生息しています。 都心から約20kmには生駒山系が南北に走り、古くから滝や寺社等が多く点在しています。

山地災害防止はもとより、府民の身近な"みどり"として森林浴・自然体験活動や癒しの場として、9か所の「大阪府民の森」が整備されています。 都市化が進んだとはいえ森林・農地・河川から海に至る多様な自然環境があり、多くの生きものが生息しています。


【南部地域】

大和川以南の広大な地域で、羽曳野丘陵から金剛生駒山系の二上山、1000m級の大和葛城山、金剛山へと続きます。 さらに800~900mの岩湧山、和泉葛城山が連なる和泉葛城山系は金剛生駒紀泉国定公園に指定されています。

山林は、マツ林やスギ・ヒノキの人工林が多いですが、雑木林も残っています。
また、金剛山・和泉葛城山にはブナ林(和泉葛城山のブナ林は、国指定の天然記念物として1923年(大正12年)に10haが認定)が残っており、涼しい所を好む生物も生息しています。
山地が広大なため、オオタカ・クマタカなど猛禽類の生息も確認されています。


大阪の森林

大阪府域の31%は森林(58262ha:2007年累計)で、そのうち49%が人工林です。森林の98%は民有林(ほとんどが私有地)で、多くが保安林・自然公園・近郊緑地などに指定されています。特に、南河内地域は人工林率が高く、河内林業地として、古くから奈良・吉野林業の流れをくむスギ・ヒノキの混交密植造林により、集約的な林業経営が行われています。
南部の森林はアカマツ・クヌギ・コナラ等が多い雑木林となっています。